エルムDCC交流会

エルムDCC交流会はDCC鉄道模型を楽しむ会です

これなら気軽に楽しめるDCC  DCC工作事例 ギミック

これなら気軽に楽しめるDCC  DCC工作事例 ギミック

 

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  DCCを楽しむにあたり、当然ながら、線路、車両、デコーダ、DCC制御機器が必要になります。 これから鉄道模型を始める若い方々は違うかもしれませんが、少なくとも、30~40を過ぎた方々は、少なからず、幼少期にNゲージをやっていたのではないでしょうか? その時の車両は、押し入れに入っていませんか?ひょっとして、まだ動くんじゃないでしょうか? 思い出の詰まった車両をダンボールから出すだけでも、時間が経っていきますが、せっかくなら、いろいろ修理しがてら、DCCにしてしまっては如何でしょうか?ここでは、いくつか、その事例を紹介いたします。

 

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 まずは、この車両。2017年の夏から、JR北海道からC11 207を借りて、東武鉄道鬼怒川線で復活運転を開始した「大樹」号です。 ダンボ^ールに入っていたのは、30年以上前のKatoのC11です。これを、分解修理の上、DCC化しました。

 

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  ロッドピンが無くなっていたり、一部部品が欠けていたりしたので、Assyパーツで補いながら、何とか動くように復活。 これに、飯田線のAssyパーツにあるヘッドライト4つを使って、前と後ろのカニ目を再現。 DigitraxのDZ126でDCC化しました。 元々Katoの作りが良いんでしょうね。今でも元気に動きます。

 

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  次の車両は、Tomixのキ100ラッセル。のちに河合商会に引き継がれていますが、その前のものです。 大人になって、本物をいくつか見る機会があり、模型がモデルにしていたものが、かなり旧型だということがわかりました。 インターネットの情報量はすごいですね。せっかくなので、今でも現役だったり、保存されている車両の形に似せるべく、運転台を削ってみたり、ヘッドライトの点灯化もしてみました。 なお、後ろにあるのは、新潟交通のモワ51で、これは押し入れにあったのではなく、後で買い足した鉄コレです。

 

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さらにこのラッセルは、昨年のイベントでも紹介しました通り、ウィングが動きます。ウィングをリンク機構によって、ボールねじナットにジョイント。KatoのEM13でアナログ駆動の小型モータで開閉操作します。 また、お供にする機関車に、サウンドデコーダを入れる余裕のないものも想定したので、Digitrax SDN144を別途入れました。

 

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  こちらは、引退が近づく185系ですが、Katoではなく、Tomixです。 先頭車にKato FL12。 パンタグラフのないモハ184には、Digitrax SFX006のサウンドデコーダパンタグラフのあるモハ185がM車で、Digitrax DZ126。 なぜ、ファンクション機能のあるDZ126かというと、断流器の閃光を再現するためです。

 

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   さて、DCCを楽しむうえで、DCC制御機器は一式買えば済みますが、デコーダは、楽しみたい車両に搭載しない限り、楽しめません。 初めのうちは、特にお気に入りの車両だけにサウンドデコーダなどを入れて楽しめますが、だんだん欲が出てくるものです。 押し入れにあった車両以外にも、新しい車両を買って、DCCを楽しみたくなるのもまた事実です。 そうしたすべての車両にデコーダを搭載するのは、加工の手間も大変ですが、それ以上にお財布がもちません。 でも、DCCをやるなら、サウンドは捨てられない(あくまで、個人の見解です)。 いろいろ考え悩んだあげく、このエルムDCC交流会に参加するようになって、一つ気づいたことがありました。 それは、運転会で走らせられる編成数には限界があるということ。持参する際のカバンのキャパシティの問題もありますが、運転会で広げて線路に乗せて走らせて、仕舞って、また広げて走らせて、これを繰り返すにしても、せいぜい多くても4~6編成くらい。 つまり、その分だけのデコーダがあって、使い回せれば良いのではないか?

 

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   その一つの方法がサウンドカーです。 いろいろな解説本でも紹介がありますよね。できるだけ汎用的な車両にサウンドデコーダを搭載し、いろんな機関車をタッグを組ませて楽しむ方法です。操作時の同期は、Consist(重連)機能さえマスターすれば、簡単です。 これは、Katoのワラ1にDigitrax SFX006を搭載したものです。HO向けなので、基盤を切って配線をつぎはぎしたり、スピーカーを入れるために車内のボディを削ったりしましたが、何とか入りました。集電安定性の確保のため、2両永結にして、4軸集電にしています。

 

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   もう一つの方法は、デコーダを使い回す方法です。 全米鉄道模型協会(NMRA)の規格にNEM651というコネクタの規格のがあります。 ハーフピッチ(1.27㎜間隔)の6ピンで、モータ2ピン、線路2ピン、ファンクション2ピンとなっています。コモン(ファンクションの+)はないので、適宜車両側で線路に繋ぐなどの対応を取ります。 この規格に合ったデコーダが各社から出ているようで、Digitrax DZ126INを愛用しています。 さらにこれを応用して、サウンドカーにも活用しています。 NEM651の良いところは、ファンクションが2つ含まれるので、ヘッドライトとテールライトを扱えることにあります。 KATOのFL12なども高いわけではありませんが、185系の事例のように、すべての編成に2つづつ用意するのは大変なので、サウンドカーを極力先頭車にし、動力車も逆の先頭車にできれば、一編成あたり二つのデコーダで済むことになり、使い回すことに加えて、一編成あたりの加工対象の車両数も減らすことが可能になります。 なお、Digitrax SDN136は、初めからJST SH 8極のコネクタが付いており、秋葉原のAitendoなどで手に入るので、これを活用するのも一つの手です。省スペースなので、重宝します。

 

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  これは、山形新幹線つばさ400系の例です。 200系と連結するために、M車が先頭車になっています。 このセットは6両編成ですが、使い回し可能なDZ126INとSDN136の2つで済んでいます。

 

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  さて、あと2つほど、DCCを気軽に楽しめるコツを紹介します。 一つは、ライトユニット無改造システムです。 完成品の一般的なNゲージに付いてくるヘッドライトやテールライトのライトユニットには、両極性の照明用デコーダを用いる方法もありますが、先ほど紹介した、NEM651規格を活用する場合は、ライトユニット自体の配線を加工することになります。しかし、これがかなり面倒です。 ライトユニットを改造せずに、DCCデコーダに繋げられるようにできないか? エルムDCC交流会のメンバー間でいろいろと検討を重ねた結果、たどり着いた一つのシステムがこちらです。デコーダから来るファンクションの信号は、12Vの電圧かかるという信号でもあるので、これをトリガにライトユニットが点灯するようにデジタルトランジスタを用いた回路を構成しています。

 

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     これは、グリーンマックス京急新1000系の先頭車に「ライトユニット無改造システム」を設置した事例です。 この事例では、FL12を使っていますが、NEM651規格でも重宝しています。 結構場所をとっているように見えますが、このシステムを小さな基盤に納めた方もいらっしゃいます。

 

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   最後に、Nゲージ MP3プレーヤについて紹介します。 「なごでん」さんのように、マイクロSDカードをDCCコントローラから操作できる「MP3デコーダ」を作成、頒布されている方もおります。 これは大変便利で、Digitraxなどのサウンドデコーダで気を使わなければいけない情報量やサンプリングレートを気にする必要がなく、音質も格段に向上できます。 ただ、さらに欲を言えば、ファンクションが27までという制約を解消したい。 音を鳴らすという機能に特化するなら、いっそのこと、Nゲージ版 MP3プレーヤをつくれないか?と考えました。 そんな折、秋葉原のAitendoを物色していたところ、この極小MP3プレーヤというのを見つけました。説明書とかほとんどないのですが、ネット情報をあさった結果、リモコン操作もできることがわかり、これなら、何曲でも入れられる!?と考え、入れてみました。

 

 まずは、Tomix スハフ14。 先ほどの「大樹」の下今市駅から鬼怒川温泉駅までの音声と、スハフ14の発電機の音といずれもYoutubeから拾ってきたものをミックスした音声が、入っています。 これは、一曲のみ。スピーカも一つでモノラルアンプ3Wです。

 

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 次にTomix マニ36。 こちらは、ステレオにしてみました。3W+3Wのステレオアンプを使っています。 61曲、3.時間24分の音、および、曲?が入っています。

 

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  走行音などは、駅滞在、駅発車、巡行、減速などに区切って曲にしておくと、停車したいときに曲を進行させるなどして、音に合わせて運転するという楽しみ方もできます。 さまざまに変化するジョイント音や、踏切通過音、橋梁通過音なども楽しみの一つです。 もはや、線路から電源取っているだけで、DCCでも何でもありませんが、楽しみ方の一つにはなるのではないかと思っています。 課題は、音量が大きすぎると、線路電圧の安定性に影響を与えること。今後は、電池内臓も検討して参ります・・・。

 

記事:TAKADA