エルムDCC交流会

エルムDCC交流会はDCC鉄道模型を楽しむ会です

NゲージDCC 電車連結器 密連自動連結/自動開放

NゲージDCC 密着連結器の連結・解放ギミック の解説
京急2100+京急1000
 

 

Nゲージの密着連結器で自動連結/自動開放ができるように改造しました。
すべての操作はDCCで制御されています。
従来のマグネット線路は必要ありません。
DCCで任意の場所で連結開放ができます。

この密連自動連結開放を制作した、
エルムメンバー「K.T」氏に解説をお願いしました。

 

●密着連結器の連結・解放ギミック

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 同一線路上で、ギャップを組むことなく、複数の動力車を近づけたり、離したり、一緒 に動かしたりなどが楽しめるのが DCC の大きな醍醐味の一つですよね。そういう意味では、 連結、解放シーンはとても魅力的です。これまで、実感のある連結、解放を楽しめるのは、 自動連結器が主流でした。
しかし、そもそも、リアルな鉄道での連結、解放シーンが減ってきている中で、今でも 見れるものとなると、密着連結器が多いのではないでしょうか? そんな思いから出発し た今回のギミック。連結、解放それぞれの加工方法についてご紹介します。

(1)密着連結器の連結ギミック
それなりの連結強度を保ちながら、解放もできる前提で考えるとなると、ベースとするカプラーはそんなに選択肢はありませんでした 。白羽の矢を立てたのは 、KATOのフック型 密着連結器です。このフック部分を取って、図a)のように磁石を付けました。

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図a)磁石で連結する密着連結器

タミヤのプラ材 3 mm H 型棒を逆 T 字に加工してフックのあった部分に瞬間接着剤で固定。
そこに、図b)の磁石を同じく瞬間接着剤で固定します。作例では、連結面に向かって左 側が S 極、右側が N 極となるようにしました。また、磁石の接触面と、カプラーの接触面 が同一面となるように注意します。

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図b) 利用した磁石


(2)密着連結器の解放ギミック
上述の磁石の連結強度は思ったより強く 、解放するための機構も試行錯誤が必要でした 。
電磁石で極性を反転させる方法、片方の車両を線路に固定させて強引に引き離す方法を試 みましたが、前者は磁力不足、後者は引き離す側の動力車が空転するなど、磁石の強さに 悩まされました。そこで、物理的に磁石と磁石の間を引き離すことにしました。

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図c)針金が穴に出ている状態


図c)にある通り、 密着連結器 の凹部を車両に向かって貫通させてあり、車両側から Φ0.55mm の針金が突き出て来て、この穴を通る仕掛けです。これで、連結していたもう一 方の車両の密着連結器の凸部を押し出します。

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図d)解放機構の全景



図d)は、解放機構の全景になります。デジカメのレンズ駆動に用いられているような ボールねじを用いて、小型モータにつなぎ、EM13 でコントロールします。ボールねじが回 ると、釣り糸(シマノ PITBULL4 本編 0.8 号)を介して、針金の押し出し機構を動かします。
針金の押し出し機構は、グリーンマックスのカプラーアダプター(6713)に程よい 空間があり、この部分に針金の支点と釣り糸の滑り反転機構を仕込んで構成します 。図c) の車輪の内側に少しスプリングが見えているように、針金の反対側の突端に釣り糸とスプ リングを固着、ボールねじが釣り糸を引っ張ると、車両側から針金が突き出てきます。逆 にボールねじが釣り糸を戻すと、スプリングの力で針金が車両側に戻ります。

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図e)車両を線路に固定するストッパー機構(参考)



図e)は、車両を線路に固定する仕掛けを存置したものです。同じくボールねじが動くと 釣り糸で抑えられていたプラ材の ストッパーがスプリングの力で下がってきて、線路の枕 木に引っかかります。これは、多分なくても解放機能は発揮されると思います。

 

記事執筆:K.T氏(エルムDCC交流会)

 

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