前回の続きで鉄道模型コンベンションJAM2022の訪問記です。
色々み見て回った中で個人的に興味を引かれた展示が、
J-TRACKさんの閉塞信号機の実演でした。
閉塞信号機と謎の箱!?J-TRACKさん
J-TRACKさんにご説明していただいた内容をよう要約すると
・オーバルのモジュールをいくつかのギャップで区切り閉塞区間とする。
・閉塞区間の手前に信号機を配置
・閉塞区間に列車が侵入すると信号機は「赤」現示される。
・閉塞区間を列車が抜けると信号機は「黄色→青」現示される。
と言うものでした。
KATOやTOMIXでも信号機は製品として売られています。
センサーを通過すると信号機が灯ると言う方式ですね。
コレらは大体タイマー式というか、センサーを通過したらある一定の時間で
「赤→黄→青」と変化していきます。
この方式でも信号機はそれなりに見えるのですが、
レイアウト全区間の列車の位置を把握して表示しているわけではありません。
J-TRACKさんの今回の方式は、ギャップを使ってレイアウトを区切り、区間内を閉塞区間としているようです。
そして各々の閉塞区間内に車両が走行しているかどうかをちゃんと識別して信号を現示しているとのことでした
これだけ聞くと「DCCでも、できない事もないかな〜」なんて思ったりしたのですが、
実はこれアナログでやっているとのことでした。
しかもPCを使わないでやっているというのが凄いです!
それを実現させているのがコレ
「謎の箱」
製品名は、
「大塚電子ATC-6」と言うものらしいです。
ヤフオクで数百円で入手したとか。
とても古い製品らしくマニュアルなど一切無し。製造メーカーも今はなく、後部のコネクタ形状も独自規格だそうで、秋葉原のパーツ屋さんに現物を見せて似たようなコネクターを見繕ってもらって加工したんだとか。
線が6本なので、
・RAIL+
・RAIL-
・信号機 青
・信号機 黄
・信号機 赤
・信号機 common でしょうか?
試行錯誤して現在のようにギャップ内の車両を検知して信号を表示できるようにしたとのことです。
最近でも当エルムDCC交流会でも信号機制作を始めています。DCC方式ではありませんが、ardduinoやマイコンを使いセンサーで検知して時間差で信号機を前後で連動して現示させるようにできます。車両がスムーズに走っている状態であれば、この方式でも綺麗に信号表示できています。
J-TRACKさんのこの「謎の箱」の凄いところは、ギャップで区切られた区間に列車が停止した場合は信号機も「赤」現示のままでいることができます。マイコン方式の場合はセンサー上に車両が停止していないと信号機は「青」に変わってしまうかもしれません。
在線検知のシステムがマイコン方式はセンサーのある箇所(つまり点)であるのに対し、J-TRACKさんの場合は、ギャップで区切られた閉塞区間内(つまり線)であると言うのが凄いと思いました。しかもPCは使っていないのです。DCCでもギャップを使った在線システムはあるのですが、機器の値段も高くて配線もかなり大変なことになるような気がします。
動画だとすごく分かりにくいのですが、最後の方列車が閉塞区間を抜けると信号が「赤」→「黄」の変化します。その後「青」に変化します。
アナログでPC無しで閉塞信号を実現させているこの「謎の箱」は凄いですね!
J-TRACKさんの説明によると、「謎の箱」にはまだまだ解明されていない機能があるようで、在線検知を利用して後続の車両の速度をコントロールする事も可能かもしれないとのこと。例えばある閉塞区間で列車が停止した場合、その手前の閉塞区間にいる車両を停止することができる。かもしれないと言うことらしいです。コレができたら本当に凄いですね!!!
今回のこの展示ですが自分が見学している際にも、会場に参加していた日本信号(本職の方々)のスタッフさんが見学に来て説明を受けていました。本職の方々も興味を引かれる出来だったようです。
【「謎の箱」大塚電子ATC-6】と言う製品の情報に詳しい方がいましたら
是非コメント欄で教えてください。