エルムDCC交流会

エルムDCC交流会はDCC鉄道模型を楽しむ会です

【イベント】池袋鉄道模型芸術祭の見学【訪問】

池袋で開催されていた、「第9回 池袋鉄道模型芸術祭」を見学してきました。

 

今回初めて訪問してみましたが、Jamに比べてゆったりと見学できました。
展示内容もかなり凝ったものが多い印象で、色々と勉強になる展示でした。
展示会場はB1Fと5Fに分かれていました。

<J-TRACK Societyさん B1F会場>

人通りのある吹き抜けの広い会場

 

いつもお世話になっているJ-TRACK Societyさんも参加されていました。
B1Fの地下鉄直結通路を出てすぐのところの無料スペースに展示されていて、精巧な情景を走る模型に行き交う人々の目を釘付けにしていました。

池袋での開催ということで西武線系統の車両などの他、様々な車両が走行していました。以前にも紹介していますが、J-Track Societyさんの情景は人物配置がすごく面白いです。日本視察するトランプ大統領プロレス興行をやっている体育館
中を覗いてみると…

ジャイアント馬場アントニオ猪木&タイガーマスク
VSタイガー・ジェット・シン&アブドラザ・ブッチャー&アンドレ・ザ・ジャイアントの試合ラッツ&スターのコンサート会場駅伝と沿道の応援風景中学校では体育の授業

<B1F会場>

B1F会場過一場は、少し小さめの会場が2つありました。

車両と円形レイアウトが動く盆回りレイアウト
小スペースで見た目も楽しいくインテリアとしても楽しめそうですね。

ポスターにもなった碓氷峠のモジュールやなどの各種モジュールノスタルジックで楽しい幻想的な模型展示レトロアメリカンな鉄道風景をDCC自動運転で走行

<5F会場>

こちらは大きな会場でたくさんの展示がありました。自動運転なんですが、ロボットがコントローラーを操作していました。

砕石軽便ナローの自動往復運転
DCC制御らしく、この小ささでディーゼルサウンドも鳴っていました。

広島からモジュールを持参して参加されていた四国山岳保存鉄道さん
実は自分の友人のご親戚という事でじっくり拝見させていただきました。1畳ほどの大きさのレイアウトで、前面に交換駅、山を挟んで裏側はスイッチバック交換ができるようになっています。自作のダブルキャブ方式でレールへの給電を制御し交換運転が可能。
線路の配線を工夫しロングラン運転になっていました。裏面のスイッチバックを抜けると、山の下部の線路を抜けて前面奥から車両が出てきます。
メンテンナンスのため山の上部は取り外し式駅舎の裏手には小さな池があり、錦鯉が泳いでいました。

四国山岳保存鉄道さんの動画はこちら
(改訂版)四国山岳保存鉄道の紹介動画 ‐ 231223youtu.be

 

JAMでもお見かけしたグループの展示もありました。
様々な工夫や研究の成果が展示されていた面白い模型展示でした。
DCCを使用した展示も多く、主に自動運転に使用されているケースが多かったように思いました。
会場となった池袋の芸術劇場が来年建て替え工事が始まるらしく、この池袋鉄道模型芸術祭も来年の開催は無いという話らしいので残念です。引き続きJAM以外のいろんな規模の模型展示が各地で行われると良いですね。

【DCC化】東急3450形2両セットC DCC加工 鉄コレ動力TM-17R

鉄道コレクション 東急3450形2両セットC」をDCC化しました。今回はライトなどの点灯化は無しにして「TM-17R17m級動力」を使用してシンプルに仕上げました。

幌なし
幌あり

<動力車のDCC加工>

動力デコーダーは、KATO EM13を使用します。
ハーフピッチコネクターで、デコーダーの取り外し可能にします。

ハーフピッチコネクターを4ピン分切り出すには5本目の辺りでカットします。
こうしないと割れて4本のつもりが3本になってしまうことがよくあります。
メスピンの方も5本目でカットカット面をヤスリで整えておきます。オスピンにワイヤーを接続、線路からの給電線のうち1本は色つき(赤)を使用。給電線をデコーダーに接続

モーター出力線をデコーダーに接続動力をバラします。鉄コレ動力は外から見えるので目立たないようにするため、ウェイトを黒い絶縁テープで覆います。集電版を取り出して給電線と接続しておきます。集電板をもとに戻します。(オスピンが接続されていますが後でメスピンに交換しました)モーター接点を上向きに曲げて、床下に戻します。

モーター接点をウェイトの上に乗るように曲げて、モーターの出力線と接続(オスピンが接続されていますが後でメスピンに交換しました。)デコーダーと接続するとこんな感じになります。ネクターと線の接続部を黒いゴムの接着剤で覆い絶縁しておきます。デコーダーも絶縁テープで覆います。ネクターの赤い路線のところに印をつけて、接続間違いが無いようにしておきました。モーター接点も黒い絶縁テープで覆っておきました。Tm-05Rに付属している台車枠などはグレーでしたが、セットCに入っていた台車枠は黒色でした。
黒色の台車枠を使用しました。

<T車の加工>

幌付きの車両はT車にします。厚さ1mmの鉛を切り出して床パーツの裏側に貼りました。貼付け後に床パーツの穴に合わせてウェイトに穴を開けておきます。床下にもウェイトを搭載します。厚さ1mmの鉛を3枚切り出して接着し、黒い絶縁テープで包みます。床下機器の間に接着しました。車輪をKATOの中空車輪と交換しました。

<仕上げ〜完成>

アーノルドカプラーだと車間がだいぶ広く感じます。KATOのアッシーパーツ「キハ40用ホロ」を接着しました。連結器をKATOナックルに交換しました。だいぶ連結面が気にならなくなりました。(まだちょっと広いかな?)ホロなし車両のテールライトが緑色なのが気になります。クリアーレッドを爪楊枝につけて塗料を置くような感じで塗りました。

付属の車番を貼り付けます。

幌付き車 3497
幌なし車 3474

にしてみましたが、正解がわかりません。という事でひとまず完成です。
東急3450形は日本車両製と川崎重工製があるそうで、こちらのセットは川崎重工製の片運転台が2両入っていました。
大井町線で5両で走っていたこともあるらしい(5両オールM車だった)。
将来的にはそれをやりたいのですが、あと3両がなかなか手に入らないので、今回はとりあえず2両だけ先に手を付けました。
3600形なら入手しやすいのですが、例えば1970年代とかに3600形と3450形の編成で大井町線を走っていたこととかあるんでしょうか?もし詳しい方いましたら教えて下さい。

<追記 24/03/17>

コメントで教えていただいた”3472”ですが、手持ちの資料で写真を見つけました。
デハ3600と同じボディというのが面白いですね。デハ3601が大井町線に入っている時の写真がありました。
大井町側に連結されているようです。他の車両の編成がわからないですね。3450形5連の写真。両運転台車が真ん中に連結されているようです。実物を見たことはないですが、全M車5連の吊り掛け音はさぞかしすごかったことでしょう。参考にした資料はコレでした。3450系については詳しくないのでこの資料だけを頼りにしてました。

【Nゲージ】メーカー修理 KATOとマイクロエース

マイクロエース富士山麓電気鉄道8500系のエラー>

予約していたマイクロエースの「A1075富士山麓電気鉄道8500系 富士山ビュー特急3両セット」が手元に届いたのが2023年9月初旬でした。
最近のマイクロエースの製品は、なかなかしっかり作ってあるなぁ〜と感心していたところ、1週間ほど経ってから製品にエラーがあるとの告知がありました。(販売店等のHPやマイクロエース公式Xなどで告知していました。)

どうやら1号車と3号車の屋根が間違って取り付けられているとの事。
実車のことはあまり良く知らなくて、色合いと形がカッコイイなぐらいで購入した車両だったので、屋根上が実車と違ってるなんて、言われるまで気が付きませんでした。
メーカーとしては、お詫びとともに希望者には正しい先頭車ボディをお送りしますとの記載がありました。
屋根なんて自分でつけ直せば良いのでは?なんて自分では思いましたが、
メーカーが屋根を送ってくれると言うのであれば、自分で付け替えるのも面倒だしこの際申し込んでみることにしました。
必要事項を適当に記載して郵送で請求しました。このとき製品を購入した証明書(明細など)みたいなものを添付しないでも大丈夫みたいでした。

そんな事もすっかり忘れて年が明け2024年2月、マイクロエースからこちらが届きました。

開封してみると

ボディーだ2両分入ってました。
てっきり屋根だけ入ってるのかと思っていただけに、ちゃんとボディーが丸ごと2両分も入っていてちょっとびっくりです。

交換用1号車と3号車のボディ2両分

全面やサイドのガラスも、もちろん取り付けてありました。

1号車

手前が交換用ボディ、1号車の屋根の違い

3号車

手前が交換用ボディ、3号車の屋根の違い交換方法も記載された説明書が入っていました。
ボディを交換するだけなので簡単です。

早速取り付けてみました。これにて実車と同様の屋根上になりました。

自分は中古で車両を購入する事が多く、新車で車両を購入してエラーに遭遇したのは今回が初めてでしたが、マイクロースの対応はかなり良い対応だと思いました。

マイクロエースの公式HPを見てみると、結構な割合で不具合やらエラーやらのお詫びが載ってますね。

www.microace-arii.co.jp


対応が良いのは、エラー対応経験が豊富?だからでしょうか?

<KATO E231系1000番台 クハの修理>

全面ガラスのパーツが無い!

車両の整備をしていたら「 E231系1000番台」の顔がなんだかおかしい事に気が付きました。
よーく見てみると、正面ガラスの下の方が取れてしまっています。
ここって別パーツになってたんですね〜。
こんなとこが取れて無くなるなんて思いもしませんでした。パーツも探してみましたが、全く見つかりません。
分売パーツもここだけのパーツは売っていないので困りました。
このまま廃車というのも可愛そうだしどうしたものかなぁと、ネットを調べてみたら
E231系1000番台東海道線 (更新車)」というのが、リニューアルして再販されるらしいことがわかりました。
分売パーツのボディだけ購入して載せ替えようと思い、発売日に都内の模型屋を巡りましたがすでに売り切れのようで手に入りませんでした。まだまだ現役で頑張ってもらいたい車両なので、仕方なくメーカーに修理に出すことにしました。

この車両はDCCフレンドリー車両で、FL12デコーダーを入れてDCC化してあります。
しかもチラツキ防止の為、ウェイト多めに搭載する加工を施しています。修理依頼する箇所とは全く違う箇所とはいえ、改造してある車両を修理に出すと何か文句を言われるのでは?と考えてしまって少し躊躇してしまいます。
でもKATOさんならDCC対応だしきっと大丈夫でしょう。
コレがTOMIXマイクロエースだったら、もしかしたら何か言われちゃうでしょうか?

<KATO 修理依頼方法>

修理票

KATOの修理依頼方法はHPに記載されています。
↓こちらから修理依頼票をダウンロードして記入
故障修理のご依頼方法

www.katomodels.com

車両と一緒にKATOに送りました。

<修理の代金>

修理代金2,500円

 

待つこと約一ヶ月、KATOからメールで修理完了のお知らせとお代金の請求が来ました。
クレジットカード払いを選択していたのでさっさと支払い済ませ、更に待つこと数日で車両が戻ってきました。

KATOのロゴが入った段ボール箱に入っていた

修理後のクハ

部品代金は55円ですが、工賃、サービス料、送料等、
なんだかんだで2,500円程かかりました。
こちらからKATOに送った送料も含めると3,200円程度かかったことになります。
ちょっと部品が取れちゃっただけで3000円とは、少しお高いかな?とは思いますが、廃車にするのももったいなかったので仕方ないですね。
これからも頑張って走ってもらうことにします。

 

【DCC】Nゲージ車両のDCC化手順 Ver.2024 先頭車編【Nゲージ】

前回からの続きで、今回は「先頭車のDCC加工手順」です。
動画では、8:22~の内容になります。

youtu.be

前回の記事はこちら↓

elmdcc.hatenablog.com

<集電加工>

ボディを外します。天井の大きさと合うように、幅13ミリ、厚さ0.5ミリでプラバンを切り出しました。室内灯の給電バネが来る辺りに印をつけました。長さ4mm程度 M2.6ネジの頭に フラックスを塗ります。
M2.6のネジは丁度室内灯用のバネの口径と同じです。
リード線をネジ頭にはんだ付けします。室内灯とデコーダー用の集電板にはんだ付けします。室内灯の裏側に集電版を仮止めして、先程の印のあたりにネジを固定します。
固定にはゴム系接着剤を使用しました。ネジに集電用バネをねじ込みします。

<ライトの配線>

台車と床パーツを外します。

運転台を外します。銅箔テープを小さく切り出してリード線を接続します。床下集電板の上面先端を絶縁します。絶縁した部分にリード線付き銅箔テープを貼り付けます。
綿棒でよく擦って剥がれないようにしておきます。
不要な部分をカットし、床下集電版を戻してライトユニットの接点が銅板に接触するように注意ししながら運転台も元に戻します。

リード線を天井に持ち上げて、床パーツを組戻します。
台車を戻します。

<ライト用デコーダーの配線>

使用するのは「NGDCC製 両極性ライトデコーダー」です。出力端子に予備ハンダして、絶縁テープで全体を保護します。給電線2本を接続します。コンデンサーからもデコーダーへ接続します。ライトのチラツキ防止になります。
コンデンサーは、室内灯とデコーダーで共用する接続にしてみました。ライトユニットからのリード線2本を、デコーダーに接続します。集電バネで室内灯を支えるような形になりました。ボディーを被せてテストして完成です。室内灯も点灯しています。
デコーダーと室内灯が外から目立たないように搭載できました。

【DCC】Nゲージ車両のDCC化手順 Ver.2024 モーター車編【Nゲージ】

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マイクロエースの車両をDCC化しました。

以前にもマイクロエースの車両をDCC化する動画をご紹介いたしました。

↓以前紹介した動画

Nゲージマイクロエース車両のDCC化 動力車のDCC加工【DCC】

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Nゲージマイクロエース車両のDCC化〜先頭車〜【DCC】

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今回は2024年バージョンとして、
COBテープライトを使った自作室内灯と自作コンデンサーアレイの組込みと同時に、
動力車と先頭車のDCC化を行いました。

・搭載する室内灯とデコーダーは外からなるべく目立たないようにする。
・室内灯やライトはチラツキが少ないようにする。
上記を目標に加工を行います。

COBテープライトと自作コンデンサーアレイの記事はこちら↓

elmdcc.hatenablog.com

elmdcc.hatenablog.com


今回DCC化する車両は、「A1075 富士山麓電気鉄道8500系 富士山ビュー特急 3両セット」です。
今回はマイクロエースの加工方法のご紹介になりますが、
トミックスの車両の構造も、マイクロエースに似ているので応用が可能です。

自己流の車両加工ですので、ご自身で作業される際には自己責任になりますが
Nゲージ車両のDCC加工のご参考になればと思います。

<モーターの配線>

床下パーツを外して、モーターへの配線用の穴を開けるため印をつけます。配線とモーター上部周辺に絶縁テープを貼りました。印をつけたところに、0.5ミリ程度の穴を2つ開けます。銅箔テープに細い線をはんだ付けして、モーター接点に巻きつけるように貼ります。不要な部分をカットして絶縁テープで保護します。2ミリ幅に切り出した集電用銅板を差し込んでいきます。付属していた絶縁シートに切込みを入れ配線を通します。

<自作室内灯の準備>

COBテープライトと自作コンデンサーアレイを使用して室内灯を仕込みます。
COBテープは、5ミリ幅のものを使用してみました。

裏面にある端子にリード線をはんだ付けします。剥離材を剥がして、厚さ0.5ミリのプラバンに貼り付けました。リード線を裏側に曲げておきます。コンデンサの配置を決めて脚をカットし、リード線と結線します。給電用のリード線も結線しておきます。

<モーターデコーダーの配線>

モーターデコーダーは、「KATO EM13」を使用。
ネクター接続で取り外し可能にします。

ハーフピッチコネクタに予備ハンダしておき。
”給電用2本””モーター用2本”のリード線を接続します。
間違えて接続しないように給電線の1本だけ色付きにしました。

デコーダー給電部に結線します。
1本は色つきです。モーター出力部に結線します。デコーダーを絶縁保護しておきます。ネクター部も黒いゴムの接着剤で絶縁します。

<各部接続結線>

差し入れた集電銅板を、高さ12ミリぐらいで折り曲げて、プラバンを挟み込むような形で曲げます。デコーダーの配置に検討をつけておいて、集電板にコンデンサーを結線します。ここは集電版からデコーダーへの結線準備です。

メスコネクターをリード線に結線します。集電板とメスコネクターを結線します。
デコーダー側と対になるように、1本は色つきリード線です。プラバンに集電板をゴム系接着剤で貼り付けました。
ここも絶縁テープで保護しておきます。

コンデンサーもテープで覆って置きました。モーターからの配線をデコーダー付近まで整えます。

プラバンに穴を開けて、モーターからの配線を通します。
(床パーツが赤色だったので、モーター配線が目立たないように赤色にしました。しかし給電線の色付きの1本も赤色だったので、ちょっと紛らわしいですね。)

メスコネクターとモーター配線を結線します。

<集電加工>

ネクターの接続を間違えないように、ピンの根本に白テープを巻き付けて色つき線のところに印をつけておきます。

色つき線の印同士が同じ接続になるようにコネクターを繋げます。
テストして完成です。

外側からデコーダーが目立たないように搭載できました。

次回は、【DCC】Nゲージ車両のDCC化手順 Ver.2024 先頭車編【Nゲージ】です。

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【DCC】パンタグラフ昇降とカメラカーの仕組み【Nゲージ】

先日の運転会でエルムDCC交流会メンバーのkazuさんが、
トラムカメラカーを制作されて走行されました。このカメラカーは、DCC制御のパンタグラフ昇降機構がありとても驚きました。
動画はこちら
05:00〜カメラカーとパンタグラフ昇降の紹介

youtu.be

パンタグラフの昇降機能とカメラカーの製作について
今回はkazuさんに記事を書いてもらいました。

トラムトレインのカメラカー>

これまでもエルムDCC交流会では、アクションカメラを貨車の荷台に設置したり、TC-9を首振り機能付きで組み上げたりして、運転会の様子の収録や、マスコンを用いた運転用の前面展望のためにカメラカーを用いてきた。
ところが、路面電車モジュールでは車両限界内に収まらない問題が発生した。路面電車規格であるトラムトレインでカメラカーを作ろうと思った動機はここにある。
どうせ新たにカメラカーを作るなら、もっと使いやすいものにできないか。例えば、アクションカメラでは、電池の劣化とともに機能の制約を受ける課題があった。TC-9では、アナログ伝送の信号を受信しディスプレイに表示するための一連の機器・配線が煩わしい課題があった。これらを解決するために目を付けたのが、アプリを予めインストールしたスマホwifiで画像転送する自動車用のバックカメラである。Amazonなどで検索すると、いろいろ出てくるので、リーズナブルなものを選んで調達した。これを分解して、用いることにした。
幸い、自動車内の電源を用いる設計であることから、直流12Vを給電すれば機能する。線路電源にブリッジダイオードを繋げ、コンデンサをかませれば出来上がりである。
コンデンサには、エルムDCC交流会メンバーで、Ayanoブランドで様々な基板や部材の頒布を行っているあやのさんのタンタルコンデンサ向け基板を用いて880μFを接続した。
トラムトレインは、いろいろ候補を探索するも、これといった既製品はないため、車内空間に余裕のある鉄コレ動力のTM-TR06を用いて、鉄コレの富山セントラムのボディを切り継ぎして載せることで、3連接車のフリースタイルなトラムトレインとすることにした。

運転台を装着したときのカメラカーからの映像


シングルアームパンタグラフの昇降>

パンタグラフの昇降については、DCCに限らず、先人の事例も数多く、いつかやってみたいネタとして長らく妄想の域を脱しないままに時間が経ってしまった。路面電車モジュールでも気楽に走行動画を得られるフリースタイルなカメラカーを作ろうと思ったときに、大幹線でも、非電化単線でも走るトラムトレインのようなものにしたら面白いと考え、であれば、パンタグラフは昇降できるようにと、仕掛りアイデアを具現化することにした。
パンタグラフを動かすためには、大きく3つの要素を克服する必要がある。
1.パンタグラフを車内から動かす機構
2.車内で効率よく動作伝達する機構
3.DCCで動作を操作する機構
これらを図解とともに解説する。
(図:シングルアームパンタグラフの動作機構)

1.パンタグラフを車内から動かす機構

今回、トラムトレインとする上では、シングルアーム型とするのが自然だったので、シンプルな構造を志向できた。
具体的にはパンタグラフの下部にある、釣合ロッドと呼ばれるところに、0.3㎜ステンレス棒を「くの字」に曲げ加工したもの(図中の赤い実線)を瞬間接着剤で接着し、車内で水平動作するピストンの穴に通してリンク機構とした。
この際、このステンレス棒の可動範囲を支障する屋根部位に穴あけ加工をすることが必要。

2.車内で効率よく動作伝達する機構

 狭いNゲージの車内、とりわけ、トラムトレインとなれば、基本的に路面電車の車内に動作機構を収める必要がある。
そこで、コンパクトカメラのズームレンズ駆動などに用いられるステッピングモーターのばら売り品(Amazon等で入手。駆動用のプラ部品付き。)を利用することにした(図中の黄色部位)。
ただし、狭い車内で、直に上述のリンク機構と繋げることが難しいため、タミヤのプラ材で、3㎜径のパイプと2㎜径の丸棒を用いてピストンを構成(図中の緑色の部位)。
3㎜径のパイプを屋根材に固定し、2㎜径の丸棒の片方を細く加工の上で、「くの字」加工したステンレス棒を通す穴を垂直に開けた。
もう片方には0.4㎜の穴を水平方向に開けて、ステッピングモーターの駆動用プラ部品にも同様に穴開けし、0.3mmのステンレス棒を用いて接合(図中の赤い実線)した。

3.DCCで動作を操作する機構

あとはステッピングモーターをDCCで駆動すれば動く。これについては、あやのさんが、試験用に開発された2つのモータードライバーを用いるデコーダー(AYA062)を使わせて頂いた。残念ながら一般向けの頒布はされていないデコーダーではあるが、動く幅、速さ、始点の調整などをCV値で調整ができるスケッチをGit-hubに公開されている。

あやのさんの”ステッピングモーターをDCCで動かす”記事はこちら

maison-dcc.sblo.jp

https://desktopstation.net/dojinshi/DCCMAG_2021Sb.pdf


以上により、DCCでパンタグラフ昇降可能なカメラカーを制作した。
さすがにスペースに限りがあるので、Ayanoデコーダーは、パンタグラフの隣に直置きしたが、屋根機器のように見えてこれはこれで面白いのではないかと思う。路面電車モジュールに限らず、様々なシーンでカメラカーを走らすのが楽しみ。

製作記事:kazu

【DCC】Nゲージをデジタル制御で楽しむ NゲージDCC運転会 東神奈川

先日、東神奈川公会堂にてNゲージDCC運転会を行いました。

昨年秋のホビセンでのレイアウト配置と同じように、本線と路面電車の両モジュールを展開し運転を行いました。今回もDCCやデジタルを使ったいろんな楽しみ方を展示しました。
エルムDCC交流会メンバーのデジタルスキル向上が凄いので、とても楽しい運転会となりました。

動画はこちら↓

youtu.be

自動往復運転 センサー無線化 DCCサウンド車両

以前も紹介したDCCサウンド車両による自動往復運転

Nゲージ】自動往復運転 デモ走行!!【DCC】

elmdcc.hatenablog.com


Nゲージ】自動運転 2【DCC】

elmdcc.hatenablog.com

今回は、センサーからの配線を無線化したデモ走行を行いました。センサー信号を無線化する装置
無線化することにより配線間違いなどが少なくなり
モジュールの配置換えやの設営も楽になります。

詳細は、製作した”けんたろう”さんのブログにて

photo175.blog.fc2.com

路面電車カメラカー

路面電車の建築限界に対応したカメラカー
急カーブや高さ制限にも対応

カメラカーから見た路面モジュール

DCC制御 パンタグラフ昇降機構

Nゲージパンタグラフの昇降を実現
DCCで昇降をコントロールできるようになっています。特製DCCデコーダーでステッピングモーターを動かします。動画にて動作をご覧ください。

モジュール走行風景