DCC自動運転と言うと、PCを使用した高度な自動運転を思い浮かべる方も多いと思います。
エルムDCC交流会ではメンバーのKentaroさんが、以前自動運転のデモを見せてくれました。elmdcc.hatenablog.com
やってみたいとは思ってみても、難しい知識が必要そうです。しかし特定のデコーダーを使用すれば、PC要らずで簡易自動運転が楽しめます。
今回は、LenzのABC(Auto Braking Control)を使って、PC要らずの自動往復運転をテストしてみたいと思います。また、Lenz以外のデコーダーについてもテストします。
動画はこちら
<Lenz ABC(Auto Braking Control)>
ドイツのDCCデコーダーメーカーLenz(レンツ)は、DCCの開発者ベルント・レンツ(Bernd Lenz )が起業した企業です。
ABC(Auto Braking Control)はLenz(レンツ)が提唱する規格で、欧州系のデコーダーメーカー(ESUやZIMO,Pikoなど)でも採用されています。
ABC(Auto Braking Control)は、Lenzのデコーダーと組み合わせて、鉄道模型の機関車などを自動的に制御する技術です。信号の前で正確に停止したり、反対方向に通過したりすることができます。簡易的な自動運転ができるようになります。
ABC機能自体は、既に20年ぐらい前からある規格です。
<ブレーキモジュールと線路配線>
ABC(Auto Braking Control)を稼働させために、線路にブレーキモジュールを配線します。
Lenz ABCには、次のようなブレーキモジュールがあります。
BM1:信号の前で停止する
BM2:信号の前で停止したり、ブレーキをかけたりする
BM3:自動ブロックセクションを組み立てる
今回はLenzのBM-1と言う機器を線路につなげます。BM-1は数年前に1個1,500円ぐらいでクマタ貿易さんで購入しました。
進行方向右側の線路に、ブレーキモジュールを配線します。
モジュール区間に車両が侵入すると、デコーダーは左右の電圧の違いを検出し停止するという仕組みです。これをAsymmetric DCCというらしい。


進行方向右側のジョイナーを取り外して線路をつなげます。
ブレーキモジュールを配線します。
ブレーキ区間がわかるように、道床の色が違う線路を使ってみました。
自動往復させたいので左右にブレーキモジュールを仕込みます。
このとき”進行方向の右側にモジュールを接続”するのを忘れないように注意します。
<Lenz Silvermini>
このABC自動ブレーキを使うには、対応したデコーダーを使う必要があります。
Lenz SilverMiniは、とても小さくて高性能、走りもスムースです。
スペースの小さいNゲージ車両にデコーダーを搭載する際には、この小ささがとても助かります。
サイズ:L11×W7.5×H2.8
KATOの飯田線旧形国電です。この車両にはLenz SilverMiniを入れてあります。
ABC自動ブレーキを稼働させるためにはCV設定が必要です。
CVを設定します。
CV51 2 に設定 ABCで停止
シャトルトレインを設定
BM-1を使用して、車両停止後に自動で向きを変えるシャトルトレインを設定する場合は
CV51 10 に設定
上記の設定の違いは、「停止」させるのか「停止後折り返し運転」するのかの違いですね。自動往復させたいので、今回はCV51 10 に設定します。
CV54でシャトル遅延時間を秒単位で設定
CV54 4(初期値)に設定 1~255秒
折り返しの時間を秒単位で設定できるようです。


それではさっそく動かしてみます。
センサー区間に侵入するととスムーズに停止します。設定した停止時間の後に折り返し運転を始めます。進行方向に合わせてライトもちゃんと変わっています。
これはなかなか面白いですね。コントローラーのスピードや進行方向を触っていないのに、自動的に停止して向きを変換し発車していきます。
<サークルMT40 K3066RA>
他のデコーダーでもテストしてみます。
日本製のデコーダーメーカーであるサークルMT40のデコーダーも、ABCブレーキに対応しています。この車両はサークルMT40「K3066RA-LED」デコーダーを使用しています。
KATOのEF80にサークルMT40のデコーダーを搭載しました。
搭載したときの記事はこちら
CVを設定します。
CV27 3 自動ブレーキの有効化
Bit1: 後進時 / Bit0: 前進時 (0: 無効 / 1: 有効)
CV51 5 自動ブレーキ無効化モード (ファンクション)
0-28: F0-F28 / それ以外: 無効
CV52 0 自動ブレーキ動作後に自動的に折り返し運転を開始するまでの時間
0: 無効 / 1-255: 指定秒数後に折り返し開始
CV53 10 自動ブレーキ解除後の加速度 加速度 (0-31)
CV54 3 自動ブレーキ動作時の減速度 減速度 (0-31)

走らせてみると、滑らかに走行を開始。自動停止〜折り返しと問題なくできました。
Lenzのデコーダーは小さくて高性能なのですが、少々価格が高いので、ここぞというときに使用したいデコーダーです。
MT40さんのデコーダーは、価格や機能、入手性などに優れていて、当方でも機関車などに多く搭載しています。
MT40のデコーダーがABCブレーキに対応しているのはありがたいですね。
機関庫モジュールなどでABCブレーキなどを使用したらいろいろと楽しそうです。
<ESU Loksound5micro>
ESUのサウンドデコーダーも、ABCブレーキに対応しています。
Loksound4までは自動停止しかできなかったようですが、Loksound5からはシャトル運転にも対応したようです。
サウンドデコーダーでも自動ブレーキが作用するのかテストしてみます。
TOMIXにキハ40にLoksound5microを搭載しています。サウンドデータはオープンサウンドです。
CV設定します。
トラック信号が右側よりも左側の方が強い場合
CV27 1
トラック信号が左側よりも右側の方が強い場合
CV27 2
この設定はとりあえず「1」で試してみてうまく作動しないときは「2」で設定してみます。
シャトル トレインを起動
CV 149 を使用すると、滞留時間 (待機時間) > 0 秒が設定されている場合
CV149 15
15秒待ってから進行方向を変更します。
サウンドと連携して動くので、停止時間は少し長めに設定しました。
CV149 0 ABC シャトル トレインの運行は終了

始めうまく動作しなかったのですが、トラック信号の設定を変えたらうまく動作を始めました。
この車両は、サウンドに連動した動きなので加速減速がゆっくりです。
速度を出しすぎると停止区間内で止まれず車止めに激凸します。スピードと加減速の設定は線路配置によってい調整が必要です。
自動運転中に警笛などの操作をしても問題無く、自動運転は継続され続けました。
自動運転でのサウンド車両走行はかなり面白いですね。ずっと見ていられる感じです。
たまに警笛を操作して鳴らしたりすることもできます。
キハ40に搭載せれているデコーダーはLoksound5microですが、別の車両に搭載していたLoksound5micro KATO(EM13タイプ)でも実験したところ、こちらも問題なく動作しました。
ABC自動ブレーキは、レンツだけでなく日本製MT40のデコーダーやESUのサウンドデコーダーでも対応していることがわかりました。BM-1は実売価格1500円程度だと思うので、自動運転をお試しで始めてみるのにも初期投資はそれほどかかりません。
線路配置を工夫すればいろんな遊び方ができると思います。
サウンドにも対応していて手放しで運転できるので、眺めているだけでも楽しいですね。